Activities
令和5(2023)年度学術研究助成金活動中間報告
令和5(2023)年度の助成金を交付した6名の活動を中間報告をいたします。
1.三重大学大学院 草地・飼料生産学 股村 真也さん
私は持続可能な肉牛生産を支援するため,デンプンの利用効率をAIの活用により簡易に推定する方法を開発している 。本助成金により、 AIモデル構築のための機材を購入することができ,糞中デンプン含量を簡易に定量できる可能性を示した。
※助成金の主な使途:解析に用いるパソコンの購入費、学会参加及びサンプリングする際の旅費
2.三重大学大学院 水産物品質学研究室 児島 美穂さん
本申請研究では、これまでにCFS9株のゲノム解析をバイオインフォマティクス的手法を用いて行った。具体的には、ゲノム特徴マップ、系統樹、ANI、GGDC解析を行い、その結果から、CFS9株が新種であることが示唆されている。今後はCFS9株の新種記載を行い、エドワジエラ病原細菌に対する阻害物質と遺伝子の同定を進め、魚類の病気防除技術の確立を目指す。
※助成金の主な使途:解読及びアセンブリ作業の外部委託費、研究に使用する消耗品の購入費、論文投稿費
3.九州大学大学院 馬奈木研究室 篠原 宣道さん
近年、欧州連合(EU)が推進する企業の持続可能性に関するデューデリジェンスにより、企業はサプライチェーンの川上における人権リスクを考慮するようになっている。本研究では、九州大学都市研究センターが提唱するMRSEIO(Multi-Regional Socially-extended InputOutput)を用いて、国別・産業別の包括的な社会的人権リスク負担の傾向を明らかにすることを目的とする。分析の結果、人権侵害リスクの中央値は高所得国(HIC)の方が上位中所得国(UMIC)よりも高いという逆転現象が確認された。
※助成金の主な使途:研究に使用するオフィス機器の購入費、分析に用いる解析ソフトの購入およびデータライセンス費
4.名古屋大学大学院 角皆・中川研究室 丁 瑋天さん
この助成によって、ガスポンプの購入や採取チャンバーを作成し、土壌より放出されるN2Oの年間変動が調査できまして、N2OのΔ17Oは、土壌N2Oの生成過程推定に有用だと結論しました。また、助成によって、この研究成果を中国の南京大の若手討論会でポスター発表や日本地球化学会で口頭発表しました。
※助成金の主な使途:サンプリングに使用する消耗品費、研究成果学会発表に伴う旅費等
5.関西大学大学院 分離システム工学研究室 樋口 雄斗さん
私は、「ゼオライト」とよばれる無機多孔質材料が示す特異なCO₂吸着挙動に関して研究してます。現状、ゼオライト合成に加えて、Spring-8や計算化学などを駆使して多角的な観点からCO₂吸着メカニズムの解明に従事しています。
※助成金の主な使途:研究に使用する消耗品及び化学薬品の購入費
6.工学院大学大学院 電気材料化学研究室(関研究室) 平岡 紘次さん
電極反応に伴う高分子固体電解質内の濃度変化をその場で観測できるオペランドラマン分光計測を基軸として、これの合材電極に含まれる活物質における充放電反応による構造変化の抽出への適用、及び実用Liイオン電池との相補的評価を進めている。
※助成金の主な使途:オペランドラマン分光計測に使用する専用セルの購入費、その他消耗品及び備品購入費等